Golden Slumbers 「ゴールデン・スランバーズ」

いまさらですが、この言葉が良く知られているのは、ビートルスの
「アビーロード」に入っている曲の題名からでしょうし、
数年前に発売されたミステリー小説にも題名として使われました。

勿論意味は「眠り」だったり、「まどろみ」だったりするので、
「素晴らしき眠り」 や、「最高のまどろみ」ということです。

ついでですが、語源は、「目・ま」・・とろむ のようです。
目がとろんとすることで、言わば「浅い眠り」なんでしょう。

気になったのは、この slumber がどうして、
複数形で Slumbers なのかっていう、どうでもよい話しです。

これは、深い意味があるのではなく、通常は複数形で使われているようで、
だからと言って、「1本の鉛筆」のように、
「1まどろみ、2まどろみ」のように、数えられるものではないのですが。

話し変わって、コピーライターという仕事について。 

このジャンルは最近軽んじられる傾向があります。
これは、デジタル社会の発展で人々が「文字離れ」していることと、大きな関係があります。

フェイスブックは、まだ「お友達探し」という基本ツールとして活用されていますが、
それでも、インスタグラムの普及で、圧倒的に画像中心のデバイスに変化しています。
写真や動画のインパクトが、情報を伝える上で「カンタン・べんり」であるのは認めざるを得ませんが、
言葉の持つ「深淵さ」が置き去りにされてしまったようで、残念です。

ここで取り上げたのは、英語の slumbers ですが、
「まどろみ」という「大和言葉」には、そんな「置き去り感」を、少しですが、

取り戻させてくれるような「安心感」を感じますし、
「コピー」の持つちからはまだまだ「侮れない」はずです。

言い過ぎでしょうが、画像には
言葉の持つある種の「情念」のようなものがありません。

やはり「コトバ」は、「ことのは」であり「言霊」なんでしょう。

先日、社内の製品開発会議では、honesty を、どう訳すか、という話しになり、
「正直さ」では元も子もなく、やはり、なんか別の表現を探そうということになりました。

シソーラス(類語)で見ると、その殆どが「漢字熟語」でしかなく、
真面目、率直、律義、実直、誠実などがありましたが、
その味気なさは、「正直」と余り変わりませんでした。

むしろ、「いつわらない」、や、「偽らざる」のような言葉のほうが、発信者の思いが伝わりそうです。

最近、少しずつですが、テレビ番組の余りの「ひどさ」に、

一部の人たちの新聞や書籍への「回帰」が始まっているので、
「まだまだ世の中、捨てたもんじゃない」と、勝手に自分を元気づけています。