ペルソナ(persona)について
「ペルソナ」という言葉は、元は古典劇において
役者が用いた「仮面」のことを言いますが、
心理学者のユングが「人間の外的側面」の概念を
ペルソナと呼んだことから、マーケティングにおいては、
「企業が提供する製品・サービスにとって、もっとも重要で象徴的なユーザーモデル」
の意味で使われだしたことで、広がってきました。
氏名、年齢、性別、居住地、学歴、職業、勤務先、年収、家族構成といった
定量的なデータ(デモグラフィー)だけではなく、その人の生い立ちから現在までの様子、
身体的特徴、性格的特徴、人生のゴール、ライフ・スタイル、価値観、趣味嗜好、
消費行動や情報収集行動などの定性的データなども含めて、あたかも
実在するかのような人物像を設定し、更にイメージを明確にするために
顔写真なども用いられるようになりました。
現在、販売計画が進んでいるメディアビークル社が扱う「バネッサ・ミーガン」という
オーストラリアのオーガニック・コスメティックスについても、社内でこのような
「ペルソナ」的な解析が進んでいます。
ただ、この場合の「ペルソナ」の基本となるのは、暮らし方のスタンス。
余計なものは、情報でも商品でも、なるべく削ぎ落とした生活をする人。
自分の「スタンダード」を持っている、或いは探している人。
その為に自分がいつも「平常心・・リラックス」でいられるファッション選択や、
食生活、気分転換をする為のアクティビティなどを持っていたり、またそれを探し求めている人。
それはどのデモグラフィーにも共通していて、性別や年齢には関係なしで共通していて、
オン・オフを切り替える力、例えばメイクアップ、インハウスとアウティング時の力の入れ方・抜き方、
モバイル(スマフォやPC)への関与を時々ストップして(オフ・ザ・モバイル)、一人の時間や、
気の置けない友達との出逢いを楽しむ人、などなどです。
そうしながらマインドのバランスを保つことで、良い意味での「フワ?リ感」を持って暮らせる為の、
一つのチョイスとして、このブランドが役に立つことを願っています。
また、オーガニック原料が持っている「フレグランス」は、なかなか侮れないものがあります。
社を訪れた人たちにその芳香の印象を聞くと、ただ「良い香り」です、というだけでなく、
香りを楽しんだ後に「心地よさ」を感じる人がほとんど。
それは単なるスキンケア・ブランドではない、
バネッサが持つ特異なエッセンスであることは確かなようです。
少しでも多くの人々にそれを体験していただく為にはどうすればよいのか?
その為、シドニー本部ラボと協議して、求め易い価格での
「スターター・アイテム」のセットアップが実現するよう折衝中です。
最近では、様々な事件解決の為に使われている「プロファイリング」という作業の中でも、
これと似たような分析手法が利用されており、「ペルソナ」が
犯人確保の為の用具としても利用されています。
勿論それはそれで、社会的任務があるのですが、結果対応型、から、事前予知対応型のほうが、
より浸透性が高いと思うのは、当たり前なのではないでしょうか。
「男性の場合にはペルソナは男らしさで表現されます。しかし内的心象は、これとは対照的に
女性的である場合があり、これがアニアで、逆に女性の場合、ペルソナは
女性的な側面で表現されますが、逆に内的心象は男性である場合があり、これがアニムスである。」
と、ユングは言っています。
心の病を抱えて、様々な理解不能な行動で、人を殺傷したり、追い詰めたりする事件が後を絶ちません。
「なんてことを!」「気の毒に」だけでなく、性別を超えた不思議な人間の持つ精神性を理解してこそ、
事件や事業とのかかわりだけではない「生き生きとしたペルソナ」が生まれると願っています。